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コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由
【補充原則3-1-3】
【サステナビリティについての取組み】
当社は、当社グループの事業活動を通じて、持続可能な社会の実現に向けた課題の解決に貢献することが重要だと認識しております。
2023年5月にサステナビリティ委員会を設置し、全社横断的にサステナビリティへの取り組みを推進・強化していく体制を整えました。さらに、7月にはサステナビリティ基本方針を策定し、当社グループ及び社会の持続的な発展にとって、特に優先して取り組むべき重要課題を特定しました。
今後は、体系化した取り組みやKPI等の適切な開示に向け、検討を継続してまいります。
【人的資本及び知的財産への投資等】
当社グループの事業活動において、もっとも重要な経営資源は人材であると認識しています。顧客企業からの多様化する要求に応えていくためには、世界中から多様で高度な専門性を持つ人材を結集し、育成できる環境を整備し、活躍の場を提供することが重要と考えております。
人的資本の充実に関する戦略・社内環境整備・取り組みの詳細については、2023年6月期有価証券報告書の「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載している通りです。
今後、当社の経営戦略・経営課題との整合性を意識し、より具体的な目標や施策等の情報開示を推進してまいります。
【気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響】
当社グループの事業特性上、自然資本への依存度は比較的低いと認識しております。一方で、当社グループは、気候変動への対応を重要な経営課題のひとつとして捉え、事業活動を通じて生活者やお客さま企業の地球環境保全に向けたイノベーションを後押しするとともに、私たち自身が消費するエネルギーを抑制し、広範な環境問題の解決に貢献することを目指しています。
2023年7月には、TCFD提言へ賛同を表明し、TCFDコンソーシアムへ参画いたしました。今後、気候変動が当社事業活動に与える影響やリスク及び収益機会の特定や、必要なデータの収集と分析を進め、TCFDのフレームワークに沿った適切な情報開示に向けた検討を継続して進めてまいります。
コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示
【原則1-4】
当社の政策保有に関する方針及びその議決権行使についての基準は以下のとおりです。
・政策保有に関する方針
当社は、株価変動によるリスク回避及び資産効率の向上の観点から、資本提携・株式保有の必然性を伴う事業上の関係や当社との協業に必要がある場合を除き、これを保有しないこととしております。
・政策保有株式に係る議決権の行使についての基準
政策保有株式に係る議決権行使については個別に判断しますが、保有目的の実現を妨げるものでないか、また対象会社の企業価値を毀損するおそれがないか等の合理性を確認した上で、賛否を判断いたします。
【原則1-7】
当社は、関連当事者との間で重要な取引が発生する場合、法令や社内規程に基づき、必要に応じて取締役会で決議し、当該取引の実施を決定しております。関連当事者との取引に係る条件については、外部の専門家の意見を踏まえ、市場価格を勘案した一般的な取引と同等の条件としております。また、関連当事者との重要な取引については、その概要を有価証券報告書等において開示しております。
【補充原則2-4-1】
管理職への登用等に当たっては、年齢、性別や社歴等では区分せず、意欲と能力のある従業員が平等に機会を得られるような人事評価制度を整備しています。年齢や性別、社歴等の区別なく、会社の業務に貢献できる人材を中核人材として登用しており、特段の偏りはありません。
女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等については、現状当社グループの女性従業員比率は約48%、女性社員の管理職比率は約27%となっております(当該数値はともに海外を含むグループ全体の数値)。また、当社グループは子会社を通して日本を含む世界10ヶ国に展開しており、グループ全体の従業員数の内、海外拠点・外国籍の社員は全体の約30%となっております。加えて、グループ全体の事業拡大に並走できる専門性の高い人材の獲得にも取り組んでおり、2023年6月期における中途採用者のうち約15%程度を管理職へ登用しております。
人的資本の充実に関する戦略・社内環境整備・取り組みの詳細については、2023年6月期有価証券報告書の「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
【原則2-6】
当社の一部グループ会社において、2014年まで確定給付型の企業年金制度を運用しておりましたが、現在は、確定拠出企業年金制度を取り入れております。確定拠出企業年金の運用・管理については、外部の資産運用会社等に全て委託しております。運用に当たる適切な資質を持った人材の計画的な登用・配置は行っておりませんが、外部委託先の運用実績等については人事総務の部署において適切にモニタリングしております。
【原則3-1】
(ⅰ)企業理念、経営計画等を当社ウェブサイト及び決算説明資料等に掲載しております。
(ⅱ)コーポレート・ガバナンスの基本方針を当社ウェブサイト、コーポレート・ガバナンスに関する報告書及び有価証券報告書に記載しております。
(ⅲ)監査等委員である取締役を除く取締役の報酬等については、株主総会の決議による報酬総額の限度内で、会社の業績や経営内容、経済情勢等を考慮し、構成員の過半数かつ委員長を独立社外取締役とする任意の指名・報酬委員会の審議を経た上で取締役会が決議した「取締役の個人別の報酬等の内容決定に関する方針」に基づき、監査等委員である取締役を除く取締役の報酬は、取締役会の決議により指名・報酬委員会に委任し決定しております。また、監査等委員である取締役の報酬は、株主総会の決議による報酬総額の限度内で、会社の業績や経営内容、経済情勢等を考慮し、監査等委員会の協議により決定しております。
(ⅳ)経営陣幹部の選任及び取締役候補の指名を行うに当たっての方針・手続きについては、当社の企業理念に基づき、当社の現在の事業規模やステージを踏まえ、管掌する部署の課題を的確に把握し、他の役職員と協力して課題を解決する能力があること、法令及び企業倫理の遵守に徹する見識を有すること等を総合的に判断するとともに、構成員の過半数かつ委員長を独立社外取締役とする任意の指名・報酬委員会の審議を経た上で取締役会にて議論し、株主総会における当該取締役の選任議案として取締役会決議を得ることとしております。
また、社外役員の独立性に関しては、東京証券取引所の定める独立性の要件に従い、当社との間に特別な人的関係、資本関係その他利害関係がないことで独立性を有しているものと考えております。
なお、解任については、法令や定款、当社の企業理念等に反する行為により当社の企業価値を毀損させた場合及び管掌する部署の監督、運営が困難となった場合など選任、指名の基準に適合しないことが明らかとなった場合などには、指名・報酬委員会の審議を経た上で取締役会にて解任が相当であるか否かを議論し、株主総会における当該取締役の解任議案として取締役会決議を得ることとしております。
(ⅴ)取締役の選解任にあたっては取締役会が役割に応じた能力、経験に加え、法令及び企業倫理の遵守に徹する見識を有すること等を総合的に判断し、企業の社会的価値の増大及びコーポレート・ガバナンスの向上の観点から適格性等に基づき決定しております。なお、取締役(社外含む)が上記を有するか判断するため及び選任の理由となる主な経歴については株主総会招集通知及び有価証券報告書で開示しております。
【補充原則4-1-1】
当社取締役会は、法令、定款の定めに基づき取締役会が決定すべき事項のほか、当社取締役会が判断すべき当社もしくはグループ各社の重要事項を「取締役会規程」、「関係会社管理規程」及び「職務権限規程」に明確に定めております。あわせて、取締役会のほか、代表取締役社長兼CEO、取締役CFO、業務担当取締役、執行役員、部長等の決裁事項については、「職務権限規程」に明確に定めております。
【原則4-9】
当社は、東京証券取引所が定める要件を基準として、役員の独立性を判断しております。
社外取締役3名を独立役員として選任しており、各独立役員には、経営陣や特定の利害関係者の利益に偏ることなく独立性を維持しています。社外取締役については、客観的な立場から独立性をもって経営を監視することが可能で、かつ幅広い識見をもった人材を候補者として選定し、その選定にあたっては、構成員の過半数かつ委員長を独立社外取締役長とする指名・報酬委員会の審議を経た上で取締役会にて議論し、株主総会における当該取締役の選任議案として取締役会決議を得ることとしております。
【原則4-10−1】
当社は、取締役5名のうち、独立社外取締役を3名選任しており、独立社外取締役が取締役会の過半数に達しております。
また、当社は、構成員の過半数かつ委員長を独立社外取締役とする任意の指名・報酬委員会を設置し、取締役の指名にあたっては、株主総会における当該取締役の選任議案として取締役会決議を得る前に指名・報酬委員会の審議を経ることとしており、取締役(監査等委員である取締役を除く)報酬決定にあたっては、指名・報酬委員会の審議を経た上で取締役会が決議した「取締役の個人別の報酬等の内容決定に関する方針」に基づき、取締役会の決議により委任を受けた指名・報酬委員会が決定しております。
【補充原則4-11-1】
当社における取締役会の全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性等に関する考え方は、3-1(ⅳ)に記載の通りとなっております。
当社は、定款にて取締役会の員数の上限を12名以内(監査等委員である取締役を除く取締役8名以内、監査等委員である取締役4名以内)と定めておりますが、現在の事業規模・管掌範囲などを考慮して、5名の取締役(現在は監査等委員である取締役3名を含む)を選任しております。
【補充原則4-11-2】
当社の取締役の兼任状況については、有価証券報告書、株主総会招集通知、コーポレート・ガバナンスに関する報告書などにより開示しております。
当社は、取締役(社外取締役を除く)が他の会社の役員を兼任する場合には、取締役会の承認を要する旨を社内規程にて定めております。
当社は、形式的な兼任数だけではなく、実質的に取締役として期待される役割、責任を適切に果たすことができるか否かを基準としております。
また、当社は、構成員の過半数かつ委員長を独立社外取締役とする任意の指名・報酬委員会を設置し、取締役の指名にあたっては、株主総会における当該取締役の選任議案として取締役会決議を得る前に指名・報酬委員会の審議を経ることとしており、他の会社の兼任数も含めて適任であるかにつき議論しております。
代表取締役社長兼CEO、CFO及び監査等委員である社外取締役3名のうち2名が他の上場会社の社外取締役を兼任していますが、取締役としての職務執行に影響はなく、当社に対してその期待される役割、責務を適切に果たす十分な時間を確保できる体制となっております。
【補充原則4-11-3】
当社取締役会は、事業年度ごとに取締役会の実効性に関する分析・評価を行い、結果に基づく取組みを検討し、機能の向上に努めております。なお、2023年6月期の評価の結果の概要は以下の通りであります。
1.分析・評価の方法
実施時期:2023年8月
評 価 者:株式会社クロス・マーケティンググループ取締役5名
実施方法:無記名式アンケート(全20問)
2.結果の概要
<特に評価の高かった質問>
① 取締役会における審議事項と経営陣(担当取締役、執行役員)に委任すべき判断事項との振り分けが適切である
② 経営戦略や経営計画の策定・公表に当たって、収益計画や資本政策の基本的な方針が十分に議論されている。また、収益力・資本効率等に関する目標を策定し、その実現のために経営資源の配分等に関し具体的に何を実行するのかについて、十分に議論されている。
③ 社外取締役を含む取締役は、必要と考える場合には、会社に対して追加の情報提供を求める機会や事務局・内部監査部門との連携が適切に確保されている。また、会社の費用において外部の専門家の助言を得る機会が確保されている。
<特に評価の低かった質問>
①取締役会の構成員は多様性(知識・経験・能力、性別、国籍、年齢、その他のバックグラウンド)が適切に確保されている。
②取締役会において、経営陣による適切なリスクテイクと迅速・果断な意思決定を支えるような議論が行える環境が整えられている。
3.評価結果を踏まえた取組み
各設問に対して出された意見を尊重しつつ、改善に取り組んでまいります。
特に、上記2の<特に評価の低かった質問>につきましては、それぞれ以下の対応を行ってまいります。
① 取締役会の構成員は多様性(知識・経験・能力、性別、国籍、年齢、その他のバックグラウンド)が適切に確保されている
対応:当社の取締役には女性や外国人は含まれておりませんが、当社は性別や国籍にかかわらず、当社の経営戦略に照らして取締役会の構成員として適切かどうか、という観点から取締役を選定しております。今後、取締役会の構成員に限らず、執行役員等の経営陣の選任においても、多様性を確保するための具体的な計画につきまして、2023年5月に新設しましたサステナビリティ委員会や、人事部門等の関係部門と連携し、適切に検討してまいります。
② 取締役会において、経営陣による適切なリスクテイクと迅速・果断な意思決定を支えるような議論が行える環境が整えられている。
対応:当社は、執行役員をはじめとする業務執行の部署等からの提案は、会社の活性化、持続的な成長を確保するために不可欠なものと認識しており、「Just go for it やればいいじゃん!」のビジョンを掲げ、常にチャレンジし続ける企業であるために、取締役会や各取締役への提案を随時受け付ける体制を構築しております。
そのため、執行役員等からの新規事業等の提案があった場合には、取締役会は、当該執行役員等との間で十分な議論を重ねた上で、客観的な観点で提案内容を検討し、提案内容を承認する際には、その実行を支援する体制のもと、取締役会で承認することとしております。このように、取締役会が執行役員等の意思決定を支えることが、次世代の経営層の育成にも繋がると考えております。今後も引き続き、責任と権限を委譲しながら次世代の経営層の育成を図り、経営陣による適切なリスクテイクと意思決定を支えるような議論が行える環境が十分に整っていると取締役会自ら評価できるよう、環境の整備により一層取り組んでまいります。
なお、当該結果の概要につきましては、当社ウェブサイトに掲載し開示しております。
【補充原則4-14-2】
当社は、取締役(監査等委員を含む)が期待する役割と責務を果たすために必要・十分な知識を習得するとともに、継続的な研鑽のため、情報提供を行っており、当該トレーニングに必要な費用は当社が負担しております。
【原則5-1】
当社は、IR担当取締役を選任するとともに、グループ経営戦略部をIR担当部署としております。株主・投資家に対しては、決算説明会を原則半期に一回開催(もしくは決算説明動画をウェブサイトにて公開)するとともに、都度、個別取材等を対応する方針とし、実施しております。
【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応】【英文開示有り】
当社グループでは、経営に委託された資本を最も効率よく活用すべく、適正資本構成を維持したうえでの収益力を図ることができるROEを、最も重要な経営指標として位置付けております。同時に、当社グループが成長段階であるとの認識に立ち、株主の収益成長期待に応えるため、売上高成長率、営業利益率を重視した事業経営に取り組んでおります。
〔売上高成長率について〕
2023年6月期の売上高成長率は、0.8%(2022年6月期は30.8%)となりました。売上高成長率が前期比で低下した主因は、デジタルマーケティング事業、とりわけメディア・プロモーション分野において、原材料・資源高の影響を受けた日用雑貨・飲料メーカー等のマーケティング費用削減により、受注単価が低下し、同事業の売上高が前期比10.4%減少したこと、等によるものです。
デジタルマーケティング事業における受注単価低下の影響は、2023年6月期の第3四半期をボトムに緩和しつつあります。こうした中、同事業の中核子会社である株式会社ドゥ・ハウスのサービスとグループ各子会社の事業とのシナジー効果発現に取り組み、高い成長が期待できる事業領域においてM&Aを含む成長投資を適切に継続し、連結売上高全体として10%以上の売上高成長率を中期的に確保するための取り組みを実行してまいります。
〔営業利益率について〕
2023年6月期の売上高営業利益率は7.8%(2022年6月期は10.1%)となりました。営業利益率が前年同期比で低下した主な要因は、中期的な事業成長に向けた人材基盤への投資や積極的なM&Aによる新規連結子会社の増加により販管費が増加し、売上高販管費比比率が33.6%(2022年6月期は31.4%)に上昇したことによるものです。
今後は、売上高販管費比率を適切に保ちながら、営業利益率改善に取り組んでまいります。
〔ROEについて〕
2023年6月期のROEは、17.1%(2022年6月期は31.9%)となりました。ROEが前期比で低下した要因は、1)売上高当期純利益率、2)総資産回転率がそれぞれ低下し、3)財務レバレッジの上昇でカバーできなかったためです。以下、要素項目ごとに説明いたします。
1)売上高当期純利益率(親会社株主に帰属する当期純利益÷売上高)は4.0%となり、前期の6.3%から2.3%ポイント低下しました。これは主に、上述の理由により売上高営業利益率が前期比で2.4ポイント低下したことによるものです。
2)総資産回転率(売上高÷期首期末単純平均総資産)は1.8回となり、前年同期の2.0回から低下しました。要因として、上述のとおり主にデジタルマーケティング事業の売上高減少により総売上高が伸び悩んだことによるものであります。
3)財務レバレッジ(期末総資産÷期末自己資本)は2.4倍となり2022年6月期末の2.3倍から小幅に上昇しました。これは、自己株式取得により自己資本の積み上がりが抑制された中、借入により適切な事業運営資金調達を実施した結果であります。
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